K N B vs K Part 1


脳内チェストレーニング、地道に続けてます。そのうちの1つ PANDOLFINI'S ENDGAME COURSE に出てくる問題を駒の配置を覚えてから問題図を見ずに頭の中でイメージし、白 ・ 黒先手両方考えます。

PANDOLFINI'S ENDGAME COURSE に出てくる問題


本では白先手で白勝ちとなっていて、4手でメイトでき難しい問題ではないですが、これが黒先手となると俄然難しくなります。

黒先手で私は頭の中のイメージで解くどころか、問題図を見ながらでもできませんでした。
K N B vs K の状況はめったに起きないので覚える必要はないと思っていましたが、覚えておけるなら覚えておいたほうが良いので、記事にして少しでも覚えやすくしてみました。

K N B vs K でメイトまでの方法が分かってないと上記の問題を黒先手で解くことは難しいでしょう。

よって、本や website の情報を参考に自分なりに K N B vs K でメイトまでの方法をまとめてみました。忘れてしまっては役立たないので、最短手数でメイトするより覚えておきやすい方法にしました。


K N B 側を攻撃側
K 側を防御側

と呼ぶことにします。

K N B vs K では一般的に
1.防御側のキングをボードの端列に追いつめる
2.ビショップと同色の角マスへ追いつめメイトする

と言われます。これは覚えやすいのですが、これだけでメイトできるほど簡単ではありませので
段階をおって説明していきます。


攻撃側

目標 メイトすること

1.主にキングとビショップを使い( 必要に応じてナイトを動かし )防御側のキングをボードの端列に追いつめる

2.ビショップと同色の角マスへ防御側のキングを追いつめていく

3.メイトする


防御側

目標 メイト回避

自分が防御側になる場合もあるため、防御側についても知っておく必要があります。

ボードの端列に追いつめられることを避ける
ビショップと逆色の角マスへ逃げる
50手ルールでドローにする
ステイルメイトでドローにする
相手を時間切れにする
同形三復でドローにする




1.主にキングとビショップを使い( 必要に応じてナイトを動かし )防御側のキングをボードの端列に追いつめる

下図の局面で説明していきます。


防御側 黒キング
ボードの中央に向かう
その後、ビショップと逆色の角マスへ向かう
攻撃側の手順が多くなるようにする


キングとビショップで防御側のキングをボードの端列へ追いつめるのに下図のように横または縦にキングとビショップを並べて、黒キングの行く手をブロックします。






下図のようにキングとビショップを縦または横に並べて防御側のキングを後列へ追いやることができます。





50手ルールによるドローはもちろん気をつけなければなりませんが、それ以上に気をつけることは、最善手を考えるあまり時間を消費し過ぎることです。

防御側キングをビショップと同色の角マスへ追いつめるのが理想ですが、まずはボードの端列に防御側キングを追いつめられれば OK です。

キングとビショップだけでは防御側キングを端列に追いつめるのは難しいため、必要に応じてナイトを動かします。この時ビショップとナイトが同色マスにあるようにすると、防御側キングの行く手をさえぎるバリアを形成することが多いため覚えておきましょう。





以上のことを頭に入れ、実際に手順を見ていきます。

1.Ke2 Ke7 2.Ke3 Ke6 3.Kd4



ビショップと白キングを並べられるように白キングを黒マスに置きました。黒キングはボードの端列に追いつめられるのを避けながら、ビショップと逆色の角マス h8 へ向かうようにします。

3...Kf6 4.Bd3 Ke6 5.Be4 Kf6 6.Nf3


黒キングの行く手を制御するためここでナイトを動かしました。ビショップとナイトが同色マスにあることに注目。

6...Ke6 7.Bd5+ Kf5 8.Ke3 Kf6 9.Kf4 Kg6 10.Be6 Kf6 11.Bf5



この形になれば黒キングを後列へ追いやれます。

11...Kf7 12.Ke5 Kg7



このような局面では最善手を考えることに時間を消費するより、白キングを動かして黒キングを端列に追いつめることを優先します。

13.Ke6 Kg8 14.Kf6


黒キングを端列に追いつめました。黒キングはビショップと同色の角マス a8 に向かうことをできるだけ避けるとともに、白がミスした場合は端列から抜け出すようにします。


2.ビショップと同色の角マスへ防御側のキングを追いつめていく

14...Kh8 15.Ng5 Kg8 16.Nf7


覚えておきたいパターン1

ナイトがビショップと逆色の角マス h8 を支配しているこのパターンは覚えておく必要があります。
また上図の赤線で示しているようにナイトはこの後 W の動きをしていくことも覚えておきましょう。
これを忘れると厳しいです^^;

16...Kf8 17.Bh7


Bh7 で黒キングが g8 へ戻ることを防ぎます。

17...Ke8



ミスしやすい局面です。ここで 18.Ke6? としては 18...Kf8 とされて失敗です。ここは先ほどあった W を思いだしながら、18.Ne5 とナイトを動かす必要があります。

18.Ne5 Kf8 19.Nd7+


重要な手です。

ちなみに
18...Kd8 となった場合は

19.Ke6 Ke8 20.Nd7



または 19.Ke6 Kc7 20.Nd7


このナイトの動きは覚えづらいですが

20...Kc6 21.Bd3


このようにナイトとビショップを同色マスに置いて黒キングの行動を制限します。
覚えづらいですが重要なパターンです。この後 21...Kc7 22.Be4 Kd8 23.Kd6 Ke8 24.Bg6+ などと続きます。


18.Ne5 Kf8 19.Nd7+ の局面に戻ります。


19...Ke8 20.Ke6 Kd8


ミスしやすい局面2。ここで 21.Bg6 とすると 21...Kc7 で手順が長引きます。
21.Kd6 が正解です。

21.Kd6 Ke8 22.Bg6+ Kd8 23.Nc5 Kc8


ミスしやすい局面3。ここは特に気をつけたい場面です、24.Kc6? としては 24...Kd8 で手順が長引きます。24.Bf7 が正解です。

24.Bf7 Kd8 25.Nb7+ Kc8 26.Kc6 Kb8


ここまできたらメイトするための最終段階となります。

最適な方法とは言えませんが手順としては
1.ビショップとナイトで c8, a6 を支配し黒キングを閉じ込める
2.白キングを c7 または b6 に進める
3.ビショップでチェックしてナイトでメイト、またはナイトでチェックしてビショップでメイト
4.ステイルメイトに気をつける


27.Be6 Ka7 28.Nc5


これで黒キングを閉じ込めました。

28...Kb8 29.Kb6


白キングを b6 に進められました。黒キングは a8 と b8 しか動けなくなりメイト間近です。

29...Ka8 30.Bd7 Kb8 31.Na6+ Ka8 32.Bc6#



ちなみに ビショップでチェックしてナイトでメイトする場合は下図のような局面になります。



別途覚えておきたいパターンとして、下図のように黒キングが h8 へ向かおうとしている時にビショップが白キングの左側にある場合。


1.Bd5 で 黒キングの逃げ道 f7 を防ぐことができます。1.Ke6 では 1...Kd8 で手順が長引きます。


参考文献
終盤の基礎知識 - ユーリ ・ アヴェルバッハ著、水野 優 訳
100 Endgames You Must Know - Jesus de la Villa
Bishop and knight checkmate - Wikipedia

 → K N B vs K Part 2

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